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-コラム

未来へと続く道路への思い ~兆 コラム~

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■専務取締役

星野建設に入社後5年ほど、広域農道工事現場(北有馬、島原、深江の3工区)に携わりました。
現場は険しい斜面で、方向さえ分からない状況での測量。
それは45年前、高度成長まっただ中の日本の思い出です。

当時、広域農道は島原半島一円で工事が進み、はちまき道路の通称で雲仙岳をとり巻こうとしていました。広域農道の県工事区間で初めて採用されたクロソイド曲線(無限大のカーブから単曲線カーブまで、ハンドル操作が容易な曲線)。座標計算は大型のコンピューターで1日かかるほどでした。

今では、手の平の電卓で数秒の時代です。

その後、島原の安中地区の道路改良工事、国交省の長崎工区、佐世保工区などに携わり、県内一円の道路を造ってきました。
今は、諫早から島原までの自動車専用道路区間での工事。中でも吾妻から島原区間の工事は、島原半島の主要道路となります。

焼け野原から世界第2の経済大国にまでなった日本、その原動力「メイドインジャパン」は遠い過去になってしまったのでしょうか。世界に誇る日本はどこにいったのか、社会の成熟とともに平和ボケしてしまったような気がしてなりません。

しかし、戦後77年、あのどん底からここまで成長した日本の底力はまだ捨てたものでは無いはず。
今行われているサッカーワールドカップを観ても分かります。
勝ち目が無かったドイツ、スペインに逆転勝ち!

20年前までは道路工事は終わったと思い込んだ時も…。しかし道路、無くして地域の発展は無いのです。
日本の本物の技術、底力は今から。この島原の豊富な自然、観光、そして農林水産業の、未来の希望へと続く道路造り。

ホンダ自動車は2030年までに、全ての車を自動運転に、との目標を掲げています。自動運転の基盤を担うのが建設業。過去の技術を活かし、未来の道路造りが今始まっています。その時、世界に誇れるメイドインジャパンの、ものづくりを担います。